話の内容は同じでも、思わず引き込まれて話を聞いてしまう人と、そうでない人がいます。「相手に『聞きたい!』と強く思わせるには『希少性の型』を使えばよい」と説くのは、『「よい説明」には型がある。』の著者、犬塚壮志氏。希少性の型を使った説明とは、どんなものなのでしょうか? 本記事では、その型を使いこなすコツと、真似するだけで使える、即効フレーズを合わせて紹介します。(大学受験専門塾「ワークショップ」情報科講師/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)
世阿弥も認めた「ここだけの話」が持つ威力
「今からお伝えする内容を正しく理解し、使うことができている人は、ほんの一握りです」
このように相手に言われると、話のネタ(内容)がなんであれ、気になってしまいませんか? そのような感情が湧き起こる1つの要因が、「希少性」です。
「希少」とは、数量が非常に少ないことです。情報伝達における希少性とは何でしょうか? 私は、情報伝達の希少性というものを、次のように定義しています。
そのネタを話せる人が少ない、限られた人しか教えてもらえない、めったにその話をしない……そのネタが希少になる理由はさまざまですが、そのネタに接触できる「機会」が非常に少ないことをアピールする情報伝達の手法を、私は「希少性の型」と呼んでいます。
希少性が「面白さ」に直結していることについては、かの世阿弥も『現代語訳 風姿花伝』(水野聡訳、PHP研究所)の中でこう述べています。