「肥満」と「肥満症」は何が違う?ポッコリおなかが気になり出したら始めるべきこと薄着になり、ポッコリおなかが気になる季節だ  (写真はイメージです)Photo:PIXTA

世界中で肥満が、まるで感染症のパンデミックのように増えている。2024年2月29日には英医学誌「ランセット」が、世界の肥満人口が10億人を突破したと報告。世界肥満連合(WOF)は、対策を講じなければ、2035年までに世界人口の半数が肥満か過体重になると警告している。日本でも男性の肥満が増えており、特に、40代~50代の男性は約4割が肥満だ。肥満とはどういう状態で、どんなリスクがあるのか、最新情報とともに解説する。(取材・文/医療ライター 福島安紀)

大谷翔平はBMI25.5で、数字的には「肥満」

 コートを脱いで薄着になる春。ポッコリ出たおなかが気になっている男性は多いのではないだろうか。

「肥満は、医学的には脂肪組織に脂肪が過剰にたまった状態です。日本では、身長と体重から算出するBMIが25以上を、肥満と定義しています」

 東京都内で開催されたメディアセミナーでそう説明したのは、日本肥満学会理事長の横手幸太郎先生。BMIの算出方法は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)。試しに、あなたのBMIを計算してみていただきたい。BMIが18.5~25未満なら適正体重、25以上なら肥満、35以上なら高度肥満だ。

 ただ、BMIが25以上であっても、全員に減量が必要なわけではない。例えば、メジャーリーガーの大谷翔平選手の2023年WBC(ワールドクラシックベースボール)出場時の身長は193㎝、体重は95㎏でBMI25.5、ダルビッシュ有投手は身長196㎝、体重は100㎏なのでBMIは26で日本の基準では肥満だが、いずれも減量が必要な状態ではない。むしろその体格がホームランや速球を投げるパワーの源といえそうだ。