“自分らしくいること”が、コミュニケーションがうまくいく一番の秘訣」
つい周りに合わせて無理をしてしまったり、自分の言いたいことをうまく言えなかったり…そうして、悩んだ経験はありませんか?
感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』は、そんないつも周りを気遣うことのできる人に向けて作られた書籍として注目を集めている。
アナウンサー歴30年超でありながら、実はもともと極度の人見知りで「人前で話すのがずっと苦手」だった著者による、「大人にふさわしい会話のテクニック」が多数掲載されている。
自分と相手が調和するコミュニケーションの秘密がわかる本書。
今回はその中から特別に「人前で話すコツ」を紹介します。

【元フジ女子アナが教える】スピーチで「原稿をそのまま読んでいると思われない」ための秘策とは?Photo: Adobe Stock

どんな人でも実力を出せるようになる

 ときには、結婚式のスピーチなど、大勢の注目を浴びながら話すシチュエーションに遭遇することもあるでしょう。
 しかし、このときでも「ちょうどいい会話の基本」を意識していれば、大丈夫。
「自分と相手の両方を大切にする」という基本はいつも同じです。

 ただ、そうは言っても自分に視線が集まると、人は多かれ少なかれ緊張します。その緊張を楽しんで力に変えられる人もいれば、ガチガチに固まって実力を発揮できない人もいます。私自身、「なるべくなら人前に立ちたくない」と思っていたので、その気持ちはよくわかります。
 でも、ポイントさえ押さえれば、どんな人でも落ち着いて実力を出せます。自分の個性を活かしつつ、説得力のある「ちょうどいい話し方」ができるようになるのです。

最後だけ視線を上げれば堂々として見える

 来賓として、また、主催者としての挨拶など、フォーマルな場で話すときは、「原稿に沿って間違いなく進めること」が大切です。
 しかし、原稿に目を落としたままだと聞き手とのつながりがなくなり、せっかくのメッセージが伝わりません。そうは言っても原稿を丸暗記して話そうとすると、プレッシャーで硬くなってしまいます。どうしたらいいでしょうか。

 結論から言うと、原稿を読んでも問題ありません。文章の「最後」だけ視線を上げればいいのです。
 途中は原稿に目を落としていても語尾は顔を上げて聞き手とアイコンタクトを取る。こうすれば、ずっと原稿を読んでいるという印象は持たれません。しかも、自分と相手の双方が安心できるちょうどよさもある、ベストな話し方です。

(本記事は、『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)