今年4月から管理職がさらにつらくなる!?
多くの企業では4月から新年度を迎える。コロナが完全に明けて初めての年度となるが、これまでにもまして、現場の中間管理職(以下、管理職)が過酷な状況に直面することが予想される。
なぜなら、労働環境が、「三重苦」ともいえる厳しい環境に置かれているからである。具体的には、「時間管理の厳格化」、「人手不足の悪化」、そして「ハラスメントへの懸念」である。これらの要因が組み合わさることで、現場の業務遂行力が大きく低下しているのだ。
そして、そのしわ寄せが管理職に重くのしかかっている。会社は管理職が燃え尽き症候群に陥ったり、業務遂行のプレッシャーによって違法行為などの不適切な行動をしたりしてしまわないように対策を打たねばならない。
「三重苦」が管理職を追い詰めてしまうのはなぜか、具体的に見ていこう。
「時間管理の厳格化」による残業の制限
時間管理の厳格化は、社員の健康とワークライフバランスの保護を目的としており、これは基本的には良いことである。
しかしながら、目標も同時に達成しなければならない管理職にとっては、大きな制約条件ともなる。設備投資やITの利用などで、業務時間が削減されるのであればよいが、環境は変わらないにもかかわらず、これまでと同様どころか、下手をするとこれまで以上の数字を残せということになると、明らかに無理がある。
これまでであれば、社員に対して残業を要請し、どうにか結果を残せていた。しかし、労務管理が厳しくなり、当然のように部下に残業を要請することはできなくなっているため、管理職自らが手を動かして業務をこなす局面が激増する可能性がある。
これは短期的には遂行可能であっても、長期に及ぶと、管理職にとって過大なストレスとなり、心身ともに健康を害するリスクを高める。