「毎日のように怒鳴り声と、子どもの泣き声が聞こえる」
「玄関前に数時間も男の子が立たされている」
「子どもを置いて2~3日男性と女性が出かけることがある」
「児童相談所の職員が行っても追い返されている」
などなど、虐待の裏付けとなるような証言が得られました。
依頼者は親権変更を検討
弁護士に相談すると
私は探偵の仕事として依頼者の求める証拠を押さえました。しかし目の前で小学生の男の子が暴力にさらされているのは、見るに耐えない光景でした。とにかく急いで山崎さんが親権を取り戻すことが必要と考え、虐待の証拠内容の報告とともに親権変更を勧めました。山崎さんもそのつもりだったようで、多くの親権変更を取り扱った弁護士さんに相談を始めたそうです。
私は急いで報告書をまとめ、山崎さんに手渡しました。
山崎さんが弁護士から聞いた話を、親権変更をお考えの方の参考になればと思い引用いたします。
○元夫婦の協議によって親権者変更は認められていません。子どもの親権は、子どもの現在の生活環境や今後の人生に対しても大きな影響を及ぼす重大な要素です。そのような重要なことを、親の話し合いだけでころころ変えることは妥当でないと考えられるためです。
たとえ、離婚合意書において「子どもが小学校に入学したときに親権者を変更する」などと書いていても、当該文言に基づいて親権が移ることはありません。
○離婚後の親権者変更は可能で、協議離婚などでいったん一方を親権者と定めても、その後に今の親権者が不適格であるという事情が発生した場合には、法律上、一定の手続きを経て親権者を変更できるそうです。
○親権者変更調停
家庭裁判所で、元夫婦(子どもの両親)が子どもの親権者について話し合うための制度で、「調停委員」と「調停官(裁判官)」が関与して、親権者の変更をすべきかどうか、話し合いを進めていきます。
まずは、父母双方が合意する必要があり、それに伴い、本当に親権を変更してもよいといえるケースかどうか、家庭裁判所の調査官が子どもの状況を調査して妥当だということになれば、親権者の変更が認められます。