○親権者変更審判

 調停で父母が子どもの親権者変更について合意できない場合には、調停は「審判」という手続きに移行します。

 審判では、裁判官が親権変更の是非について判断することになりますが、裁判官は、子どもの生活環境等を実際に見聞きした調査官による調査結果で、親権者変更の是非を判断します。

息子とキャッチボールをしていた男の素性
親権者変更審判の行方は?

 探偵の仕事としては、調査報告をした時点で完了していますが、その後の結果が気になり、様子をお伺いすることはよくあります。

 山崎さんについても気になったので伺ってみると、優人くんとキャッチボールをしていた男性は、一緒に暮らす恵梨香さんの恋人でした。私が得た調査結果と児童相談所が把握していた内容が、虐待の証拠として合致していたため親権者変更に有力な判断材料となったそうです。

 親権者変更調停で抵抗していた恵梨香さんも、親権者変更審判では恋人男性が無職であり、かつ薬物使用で有罪となり執行猶予中であることも踏まえて、監護親としての妥当性が認められず、優人くんの親権者は山崎さんに変更されたそうです。

 法務省では、24年の国会に離婚後も父と母の双方が子どもの親権を持つ共同親権の導入を内容とする民法改正案を提出し、成立を目指す方針だと報道されています。早ければ25年に共同親権が導入される可能性もあります。

 さまざまな理由で不当に親権を剥奪されている方はたくさんいらっしゃると思います。子どもに会えないつらさ、親に会えないつらさは一刻も早く解決されるべきです。片岡探偵事務所がそんなあなたのお力になれれば幸いです。

「単独親権制度で苦しむ人を減らす探偵」。点と点が線になる探偵トークでした。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。