一般的に、大手総合商社は「高給取り」で知られる。業績が好調であれば賞与が上乗せされ、その年収はさらに伸びる。本ランキングの対象期間中の決算(23年3月期)では、商社は「資源バブル」に沸いた。三菱商事の純利益が1兆1806億円(前期比25.9%増)、三井物産は1兆1306億円(同23.6%増)と、初めて1兆円の大台を突破した。

 他方、住友商事の純利益は5651億円(同21.9%増)、丸紅は5430億円(同28.0%増)だった。相対的に資源ビジネスの割合が少ない伊藤忠商事は8005億円(同2.4%減)で、5社のうち唯一、減益だった。これらの影響が、年収ランキングの順位の変化にも如実に表れていると言えるだろう。

 商社の年収や働き方については、ダイヤモンド編集部が独自の視点で徹底取材した特集『戦時の商社』から、下記の記事を参考にしてほしい。

 それでは次ページ以降、6位以下を一挙に公開する。1000社のうち、年収が1000万円を超えた企業は48社、900万円台が49社、800万円台が148社あった。2024年の春闘における賃上げの行方が、日本経済の重要テーマとなっていることからしても、年収に注目して企業を俯瞰(ふかん)してみるのもいいだろう。

 最後に、ランキングの「癖」について説明したい。それは、持ち株会社(ホールディングス)と事業会社が混在していることだ。

 持ち株会社として上場している企業の中には、経営企画や人事系など、少数の幹部社員だけしか在籍していないところがある。すると、その企業の実態(グループ全体)よりも年収が高く出てしまう恐れが強い。

 そうした「癖」の影響をなるべく排除するために、従業員が100人未満の会社はランキングから除外した。

 一方で、企業の中には、一般社員よりも年収が低い契約社員を含めている場合がある。他にも、定年退職者の雇用を積極的に進めている企業や、地方に本社を構える企業も年収が低くなる場合がある。

 こうした事情を踏まえて、ランキングを見てほしい。平均年収に合わせて、従業員数も掲載しているのはそのためだ。

(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)