資源価格高騰や投資家の支持を背景に活気づく商社業界。かねて「高給取り」の印象があるが、空前の高利益をたたき出す中での給与の数字が気になるところ。特集『戦時の商社』(全16回)の#7では、商社社員の懐事情をひもとく。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
賞与だけで一般企業の年収を凌駕!?
商社志望の学生も垂ぜん…その実相は
「三菱商事の賞与はメーカーなど一般企業の年収に匹敵する」
昨年末、SNS上でまことしやかにささやかれたうわさだ。勤続年数やグレードにもよりけりだが、総合商社の社員の年収1000万円を軽く超える。業績が好調であれば、賞与だけで、「メーカーなど一般企業の年収」レベルに達してもおかしくない。
実際、三菱商事は2023年3月期の連結決算で初の1兆円超えをマーク。業績連動分が賞与で上乗せされた結果、中堅社員以上では年間の賞与額が1000万円を超えたという。
商社志望の学生数人に話を聞いた。商社での仕事について、「大企業で働きがいもあるし、安泰に暮らせる」との期待を抱いていた。
先行き不透明な中で、給与の高さは商社の魅力の一つだ。就活生の人気企業ランキングで、商社が上位を占めてきたのはその証左であろう。
とはいえ、いきなり商社社員に向かって「いくらもらっていますか」とは聞きづらい。だからこそ数字で見てみたい。
次ページでは、ダイヤモンド編集部の独自取材によって見えてきた各商社の給与事情について明らかにする。