「1000円の壁」突破、店内炊きへのこだわり
《牛骨ラーメン(=まことラーメンのジャンル)のマーケットは醤油や豚骨に比べると小さいは小さいですよね。ただ、それ以上に競合する店の数が他のジャンルに比べて極端に少ない。その点が優位に働くんじゃないでしょうか。むしろニッチなジャンルだからこそ、商品そのもので差別化できるメリットのほうが大きいかもしれない》
《ライバルが増えないのは、クセが強い牛骨は豚骨や鶏ガラに比べてスープを炊く難易度が高い。だから、多店化しようと考える企業が少ないんだと思います。かといって濃縮スープでは品質が落ちます。だからよほどの技術の低下がない限り、スープは店内炊きを続けるつもりですし、少なくとも200店まではそれで継続したいですね》
目の前に安易な効率化の道があるのがわかっているにもかかわらず、あえてその道を通らないというわけである。
人手不足が顕在化する中で、セントラルキッチン(工場でほとんどの調理をしてしまう飲食チェーンのスタイル)は設けずに、店舗ごとのキッチンの効率化でカバーしていくのだという。200店を達成すれば天下一品に並ぶことになり、ラーメン業界に大きなインパクトを与えることだろう。
このまこと屋は「ラーメンの壁」とされる平均客単価1000円を超え、客単価1200円の売り上げを誇る。2024年2月にオープンした東京・渋谷店では、月商1000万円を達成したというから驚きだ。
話をラーメン二郎に戻そう。