「FRIENDLY DOOR」の
不要な世界が最終目標

 そして彼女は「FRIENDLY DOOR」の事業概要をまとめ、社内のビジネスコンテストに応募し、優秀賞を獲得。2018年に事業化の権利を得てからは、東奔西走の日々を送った。

「所属部署で任されている本業と平行して、新規事業の立ち上げに割けるリソースは2割ほど。私が止まると事業もストップしてしまうので、必死でしたね。ただ、サイトの開発や、営業との連携、PRなど、私一人ではできないことばかりなので多くの社員に協力してもらい、約1年でローンチできました」

 2019年のローンチ以降、「FRIENDLY DOOR」はさまざまなビジネスアワードでグランプリを受賞し、注目度の高いサービスとなっている。今後は、掲載不動産会社を増やしつつ、住宅弱者向けの物件情報の提供にも尽力していく予定とのこと。

「最終的には『FRIENDLY DOOR』が不要な社会にならなければ、意味がありません。どんな人も、普通に部屋が借りられる世界を実現するのが目標ですね」

 不動産業界の新たな扉を開く――。キョウ氏の挑戦ははじまったばかりだ。