「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在15,000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は、自力整体の考案者であり、50年近く鍼灸師・整体治療家・ヨガ講師としても活動されてきた矢上裕さん(矢上真理恵さんのお父様)もお迎えし、東洋医学の視点から、初夏に出やすい不調の解決法を数回にわたりお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】え? まだやってるの? 老け込みやすい美容「ワースト2」

湿気の多い季節にオススメの「美の習慣」

――梅雨になると、顔や体がむくんで毎朝鏡を見ると憂鬱になる女性は多いはず。東洋医学の視点からアドバイスをお願いします。

矢上裕(以下「裕」):湿気の多い季節に気をつけたいのは「水毒」です。この時期は皮膚から水分を蒸発しにくいため、「水毒症」になりやすいのです。「水毒」は冷えのはじまりです。血行不良で夜は熟睡できず、代謝力は低下。放っておけば、いっきに若さを失います。

この時期、とくに座りっぱなしの人は「水毒」になりやすいので、よく筋肉を動かし、水を蒸発させる習慣が大事。さらに「自力整体」でどんどん体をゆるめていけば、水の流れはよくなります。尿の分だけ汗をかくのはたいへんですが、尿で出すことができればラクですよね。「自力整体」は最高の水出し美容法です。

梅雨の時期にやってはいけない?「水毒づくり美容」ワースト2

裕:湿気の多い時期は、次のよくある2つの美容法は控えめに。「水毒づくり」のワースト2です。

1 水を必要以上にとりすぎない
よく「一日に2リットル水を飲みなさい」といった美容法があります。これは東洋医学の視点で見ると水の過剰摂取は「水毒づくり」です。体内の塩分濃度も薄くなり、体に負担をかけます。カリフォルニアなど乾燥地帯の人には良いと思いますが、湿気の多い日本で暮らす人は、梅雨の時期は控えめに。

2 フルーツ・精白した炭水化物(白米・白パン・白砂糖)は食べすぎない
朝からビタミン豊富なフルーツをたくさん食べる美容法もありますが、梅雨の時期にむくみやすい人は、食べたら体内で水になりやすいものは控えめに。たとえばフルーツ・精白した炭水化物(たとえば白米・白いパン・白砂糖)など。むくみやすい時期は、たとえば玄米・全粒粉のパン・精白していない砂糖などに置きかえるのもよいでしょう。

ただし、ここで重要なのは、水分を控えるということではありません。いかに細胞に必要な水分をプール(蓄える)して、いらない水分(老廃物など)を排出するか。これが美と健康の秘訣です。

冷え性の人は、トイレが近いですよね。飲んだ水を活用できず、まるでミルク飲み人形のようにすぐ尿で出てしまいます。それが続けば、どんどん肌は枯れてしまいます。

「自力整体」で体温を上げていけば、水の循環はうまくいくはずです。

――ウェブ読者のみなさんにも、真理恵さんの書籍『すぐできる自力整体』からワークをご紹介ください。

矢上真理恵:顔と足のむくみを解消する「耳ひっぱり」「しゃがんでバウンド」の2つのワークを紹介しましょう。

【整体プロが指南】え? まだやってるの? 老け込みやすい美容「ワースト2」矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約15,000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約15,000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗