メガバンクの業績が絶好調だ。2024年3月期の三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)と三井住友フィナンシャルグループは過去最高益を更新。25年度3月期は、みずほフィナンシャルグループも含め、3メガがそろって最高益更新となりそうだ。ところが、株式市場の評価は分かれ、三菱UFJFGのみ株価がさえない。業績を振り返るとともに、その背景を探った。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
空前の好決算だった3メガバンク
三菱UFJと三井住友は最高益更新
絶好調だった3メガバンクの2024年3月期決算の中でも、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は、国内トップバンクの名にふさわしい、ずぬけた業績をたたき出した。
2024年3月期の純利益は1兆4907億円で前期比33.5%増、目標の1兆3000億円に対しても14.6%上回る過去最高益となった。純利益が1兆円を超えるのは3期連続で、三菱UFJFGの亀澤宏規社長グループCEOは「安定的に1兆円を超える目標を達成できた」と胸を張った。
三井住友FGとみずほFGも三菱UFJFGに遜色ない結果を残している。三井住友FGの純利益は9629億円で前期比19.4%増、目標の9200億円に対して4.6%増の達成で過去最高益を更新。みずほFGは同6789億円で前期比22.2%増、期初に出した業績予想6100億円に対して11.2%上回った。同社は最高益更新とはならなかったものの、過去2番目に高い数値である。
この好業績は25年3月期も続きそうだ。三菱UFJFGは純利益を1兆5000億円、三井住友FGは同1兆600億円、みずほFGは同7500億円と予想。3メガそろって過去最高益更新を目指す。
まさに順風満帆の3メガだが、株式市場からの評価は明暗が分かれた。三菱UFJFGの株価は、決算発表後に最大約6%下落した後も回復せず、年初来最高値をうかがう三井住友FGとみずほFGとの差が目立つ。
次ページで業績好調の背景と25年3月期にさらに上振れすると予想される理由、さらに株式市場からの評価が分かれた要因について探った。