リーダーが高齢の場合のデメリットとは?
経営リーダーが、高齢(経験が豊富)であるデメリットを、四つ挙げてみた。
●変化への適応性の欠如
高齢の経営リーダーは、新しい技術やトレンドに対する適応がどうしても遅くなる。そうなると、急速に変化する市場環境において、企業の競争力の維持が難しくなる。
●後継者育成の遅れ
高齢の経営リーダーが、長期間その地位に留まることで、後継者の育成が遅れる可能性がある。後継者が育っていないと、経営者退任後のスムーズな経営体制の継承や移行を妨げてしまう。
●健康問題
高齢者は、若年者に比べて健康問題を抱えるリスクが高くなる。経営者が突然倒れるなど、健康問題に直面した場合、会社の運営に大きな影響を及ぼす。
●意思決定の遅延
豊富な経験と慎重な判断は価値があるものだが、過度に保守的なアプローチは、必要な意思決定の速度を遅らせ、機会損失につながる可能性がある。
ただし、高齢な経営者の中にも、彼らのビジネスや業界を一新するために新技術を取り入れたり、革新的なビジネスモデルを試みたりすることに非常に積極的な人もいる。必ずしも経営者の年齢が高いことが上記の問題を引き起こすわけではない。
しかしながら、そもそも取締役や執行側の多くの役員の年齢が60歳を超えているような場合、時代の変化から取り残されている可能性は極めて高くなる。
60歳以上の彼らが集まったときに、何の話をしているだろうか。
狭い業界内の競合の動向、政治(政局)の動向、社内の人間関係の問題……こういった“いつもの話題”ばかりでは困る。また、仕事以外の話題も、健康、ゴルフ(野球や相撲)、年金など、高齢者特有のテーマであり、その内容は偏っていることが多い。にもかかわらず、その偏りを認識しておらず、他の誰もがその話題に関心があると疑わないような集団であれば、意思決定を間違える可能性が高くなる。
こういう集団では、新規の技術、たとえば「暗号通貨は疑わしきものであり、近寄ってはならない」とそのポテンシャルを検討されることなく、一刀両断してしまうような意思決定が行われるだろう。