「高齢者集団」に経営を任せてはいけない!60代役員に見る“絶対アウト”な4つの兆候写真はイメージです Photo:PIXTA

リーダーが高齢の場合、メリットはあるのか

 株主総会の季節だ。会社が新体制に変わる際、多くの人が興味を持つのは、取締役たちの年齢であろう。上場している大企業にあっても、取締役の低年齢化は進み、最近は50代が普通になってきている。

 一方、いまだに60代になって初めて取締役になる人がいるような会社もある。若ければ良いというものでもないだろうが、リーダーの年齢は会社の経営に明らかに影響を与える。

 まず、経営リーダーが、高齢(経験が豊富)であるメリットを考えてみよう。

豊富な経験と知識
 熟練の経営者は、長年の業界経験から得た豊富な知識と経験を持つであろうと予想される。かつて幾度かは困難な状況を体験したことがあるはずで、その経験を活用することで、より賢明な意思決定を行うことが可能になる。

強固な人脈
 長年にわたる業界での活動は、業界内外の幅広い人脈を築くことにもつながる。この人脈は、ビジネスチャンスの創出や、困難な時期におけるサポートの獲得に役立つ。とくにトラブルシューティングにおいては、関係者との長年の付き合いが、重要になる。

安定したリーダーシップ
 経験豊かな経営者は、しばしば落ち着いた判断力と安定したリーダーシップを提供する。これは、従業員や株主、取引先などの利害関係者に対する信頼感を高め、組織全体の安定に貢献する。

伝統と文化の継承
 高齢の経営者は、会社の伝統や文化を理解し、これを維持し、発展させることができる。これは、企業ブランドのアイデンティティーを強化し、長期的なビジョンに貢献する。

 以上、主に四つのメリットを挙げたが、これらは割り引いて考えなくてはならない。なぜなら、日本の場合、高齢になってから役員になることが多く、その期間は、(役員になったのちにさらに昇進する人以外は)4年~6年程度である。ゆえに経営リーダーとしては熟練を欠く場合も多いからだ。また、過去の経験は安定した時代においては有効だが、変化が激しく経験則も通用しない時代であれば、むしろマイナスの影響をもたらすこともある。

 一方、デメリットを考えてみよう。