年収が大きく変わらない共働き夫婦、子の扶養はどちらが正解?夫婦双方に収入があって共同して子どもを扶養する場合、これを『夫婦共同扶養』といい、被扶養者の認定を受けるには一定のルールが設けられている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

企業の顧問社労士として、数多くの労務問題を解決してきたカタリーナ。オンラインのよろず労務相談には、経営者・労働者を問わず、さまざまな相談者が訪れる。本日の相談者は、近く転職予定という男性(37)。入社関連の手続きで、娘を扶養に入れようとしたところトラブルになりかけたというが……。

転職先の会社で、娘を扶養に入れようとしたら……

カタリーナ 「こんにちは!社労士のカタリーナです。鈴木圭人さんね。今日はどんなご相談かしら?」

鈴木 「来月、転職することになったんです。それで、必要書類を転職先に提出して、3歳になる娘を僕の扶養に入れようとしたら、できないと言われてしまって。もうビックリですよ、そんなことありますか?」

カタリーナ 「まあまあ、落ち着いて。共働きの場合、あり得る話よ。もしかしたら、入社書類に奥さんの年収を書いた覚えはある?」

鈴木 「はい、妻も別の会社で働いていますからね。ただ、娘はこれまで僕が扶養していて、保険証も会社が手配してくれましたよ」

カタリーナ 「なるほど。これまでは、あなたが娘さんを扶養していたのね。扶養には大きく社会保険と税法上の2種類があって、考え方がちょっと違うのよ」

鈴木 「どういうことですか?」

カタリーナ 「税法上では、同じ世帯に所得者が2人以上いる場合、重複して申告しない限り、誰の扶養に入れても構わないの。でも健康保険の場合、夫婦が自由に選べるわけじゃないのよ」

鈴木 「えっ、そうなんですか?」