夫婦共同扶養で被扶養者の認定を受けるためのルールとは

カタリーナ

カタリーナ 「夫婦双方に収入があって共同して子どもを扶養する場合、これを『夫婦共同扶養』というけれど、被扶養者の認定を受けるには一定のルールが設けられているの」

鈴木 「どんなルールですか?」

カタリーナ 「原則として、年間収入の多い方が扶養するというルールよ。夫婦ともに会社員で健康保険組合など被用者保険に加入している場合、過去、現時点、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだ額を年間収入として考えるの」

鈴木 「じゃあ、僕の方が低いからNGだったということですか?」

カタリーナ 「単純にそういうわけでもないのよ。夫婦で同じくらいの年収ということもあるでしょう?差額が年間収入の多い方の1割以内の場合、主として生計を維持する者として届け出た人の被扶養者にできるの」

鈴木 「ややこしいなぁ」

カタリーナ 「例えば、あなたの年間収入が500万円、奥さんが540万であれば、差額は1割以内だから相手より年間収入が低くても届出は認められるってわけ」

鈴木 「ということは、今回ダメだと言われたのは、年間収入の差額が1割を超えていたからか。よく見ているなぁ」

カタリーナ 「健康保険組合は扶養の認定に関してしっかりとチェックしているから、事前に会社で確認をしているのでしょうね。届出後に不認定となるより、よっぽどいいわ」

鈴木 「そうですか。世帯主が扶養するものだとばかり思っていましたよ」

カタリーナ 「あまり知られていないけれど、被扶養者の認定基準が明確化されたのは2021年8月から。それまでは、『前年分』の年間収入が多いほうの被扶養者とすることになっていたの。夫婦同じくらいの場合も差が1割以内という基準はなかったから、ちょっとあいまいなところはあったわね」

鈴木 「そうだったんですね。もし、夫婦の年間収入が同じくらいか1割以内差だった場合、どちらの扶養にしたほうがお得とか、ありますか?」