求人広告の効果を高めるテクニックはなんだろうか。具体的な数字やオノマトペを活用し、読者の心に響く求人原稿を作成することで応募者は倍増するという。また、小中学生向けのわかりやすい言葉遣いを適宜使用するのもポイントだ。※本稿は、関根コウ『求人募集をしても応募がない・採用できない会社に欲しい人材が集まる方法 他社より条件が悪くても、広告費が0円でも、採用できる』(現代書林)の一部を抜粋・編集したものです。
応募倍増テクニック
『数字』を拾い集める
求人原稿を適切に表現するだけで、応募者は見違えるほど増えます。
まずは、すぐに使えるテクニックをご紹介します。
それは「数字」を拾い集めることです。
求人には、御社だけのリアルで等身大の情報が必要です。
数字は物事を具体的に印象づけます。皆さんが思う以上に、職場内には意外と多くの数字が眠っているものです。
情報が具体的であるほどに、求職者の興味や関心につながります
例を挙げます。
▼職場には何人のスタッフがいるのか?
▼1チームは何名で働くのか?
▼お客様は1日に何人くらい来店するのか
▼ベテランの方の勤続年数は何年なのか?
▼1日の行動範囲は何キロメートルなのか
▼運ぶ商品は何キログラムあるのか?
▼自信を持って1人で仕事できるまで何カ月必要なのか?
これだけでも職場を見る視点が具体的になるのではないでしょうか。
このように社内で眠っている数字をそのまま求人原稿に使うだけで、飛躍的に効果は高まります。
リアルな魅力伝える
「一日600回スクワット」求人
これは、実際に私が求人原稿で使ったキャッチコピーの一例です。
車の製造をしている、とある自動車工場の募集広告でした。
自動車の組み立て工場は、たくさんのロボットが稼働していますが、まだまだ人の手で取り付ける部品も数多くあり、体力を使う仕事です。
そのため、人がなかなか集まりづらい、敬遠されがちな側面もありました。
この大変な作業の概要を聞いて私は、「1つの部品を付けるのに、いったいどれくらいの時間がかかりますか?」と担当者の方にたずねました。すると、「10分間に5個くらいの部品を付けますね」との回答。1つにつき120秒です。
次々ラインを流れてくる車体に対し、各担当で決められた時間内に作業しなければなりません。
2分ごとに繰り返される足腰の動作……。「これは下半身の筋トレのようだ」と思ったのです。
そこで、1日で作業する台数と、勤務時間から逆算し、大体平均して1日600回のスクワットを行っているのと同じ作業だと仮説を立てました。