病院の危機#2
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日本は世界一病院が多い「病院大国」であるが故、病院は医者を集めるのに骨を折る。稼ぎ頭である医者を確保できなければ、病院に未来はない。とりわけ中小病院は医者を集めにくい。そこで、ついには医者を獲得する奇策が飛び出した。特集『病院の危機』(全6回)の#2では、中小病院の珍採用、求人事情をレポートする。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

マッスルファーストな医者を募集
採用ページは筋肉だらけ

 画面いっぱいに白いシャツからのぞく、盛り上がった大胸筋と六つに割れた腹筋の写真。一見、スポーツジムのウェブページのようだが、画面を下にスクロールした先にあるのは、目を疑うキャッチフレーズだ。

「マッスルファーストな医師もとむ」――。

 何と病院の医者採用ページなのである。

 さらに読み進めると、「プロテイン10倍増しの筋肉による筋肉のための筋肉採用はじまる」という謎の見出しの先に、「当直時はプロテインを持ち歩く」「タンクトップか上裸が正装だ」「全身鏡の前は、素通りできない」など、“マッスルファースト”か否かを定める七つのチェックポイントが並ぶ。

 そして日本一快適な当直室、24時間無料で利用できるトレーニングジムや体育館完備といった、肉体派にターゲットを絞った福利厚生制度を、これでもかとアピールしている。

 ウェブサイト内で「筋肉」という言葉が何度登場したか数え切れないほどの“筋肉押し”だが、一体どこの病院が、なぜ筋肉にこだわって募集しているのか。