生命保険に入っても意味がなかった
筆者が心底感じた理由
筆者は大学を卒業して働き始めたときに、生命保険に入った。生命保険会社に入った大学の友人から勧誘されたからだが、まったくもって意味がなかったと今では思っている。自分の生活や資産を守るための最も効果的な方法に行きついたからだ。どんな自宅を選ぶかと、住宅ローンをどうやり繰りするかにその論点は変わる。
生命保険に意味がなかった理由はいくつかある。
1つ目は、人間は60歳までほぼ亡くならないという事実だ。「万が一」と言うこともあるが、厚生労働省の簡易生命表令和4年によると、0歳が49歳までに亡くなる確率は男性3%、女性2%だ。50歳から59歳でも同じ比率でしかない。つまり、人が50代までに亡くなる確率は至って低い。死を意識するのは、高齢者になってからとなる。
2つ目は、自分が結婚するまで保険金の受け取りが親になっていたことだ。相続対策において最も悲しいのは、子どもが先に亡くなることだと聞いたことがある。結婚していない子どもの資産は親に相続されることになる。親が自分の資産を子どもに相続しようと考えている際に、子どもから資産が来てしまう悲しみは察するに余りある。
3つ目は、結婚と同時に自宅を購入したことだ。その際に住宅ローンを組んだが、団体信用生命保険(以降、団信)という生命保険にも同時に入ることになる。この保険は、ローン返済者が亡くなった場合に返済が全額免除される制度なので、生命保険と同じ意味合いになる。つまり、自分が死んだら住宅ローンを返済せずに、ずっと自宅に住み続ける権利を家族が得られるのだ。住宅ローンは若いときほど残債が多いので、返済負担は楽になるが、自分が死亡する確率は低い。家を購入したのなら、生命保険を掛け捨てのように払う必要などなかったと思っている。