「空気が悪い家」の資産価値が法改正で大きく下落!?知らないと大損するリフォームのおトクな常識法改正を機に、省エネ基準に適合していないマンションの持ち主は、リフォームを真剣に考えよう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

コスト負担もなくいいことづくめ
マンションリフォームの「奥の手」とは

 Aさんはマンションのリフォームをした。リビングの大きな窓と各部屋の3つの窓を断熱性能の高いものに取り換えた。工事は1日で終わり、リフォーム代金は80万円ほどだったが、国と都と区に補助金申請をしたら、ほぼ同額振り込まれた。

 リフォーム後、冷暖房使用が減り、光熱費が下がった。室内は夏涼しく、冬暖かくなったので、快適に過ごせて家族の医療費もやや減った。いいことずくめのようだが、なぜこれほどコスト負担が少なく、リフォームができてしまうのだろうか。

 これは現実に可能なことだが、あまり知られてはいない。自宅マンションの・リフォーム・リノベーションを行った人に対して行ったアンケートでは、窓の断熱工事で補助金をもらった人の金額割合は15%に過ぎなかった。ほとんど知られていないのだ。

 まずは、補助金の特性を理解しないといけない。窓の断熱リフォームをする場合、最も補助金額が多いのは国の「先進的窓リノベ」という制度になる。商品の断熱グレードにもよるが、大方50%程度の補助がある。

 これに加えて、東京都でも「クールネット東京」という制度があり、国の補助金との併用が可能となる。この補助率が3分の1なので、合計で8割に及ぶ。これに加えて、文京区に住んでいれば20%の補助があり、合計すると100%になる。都道府県・市区町村によってこの補助金制度は異なるので、全くないところもある。

 ここまではホームページを隅々まで読めば把握できる。しかし、これを実行するのはそれほど簡単ではない。

 まず、国や都道府県の補助金対象の商品は事前登録制で、それ以外は対象外になる。また、申請業者も事前登録制なので、未登録のリフォーム会社では申請ができない。そして、その手続きを契約や施工のどのタイミングで行わなければならないかは、まちまちとなっている。間違えたら、想定していた補助金が下りなくなる。その補助金も、予算を満たすと申請していても出なくなるリスクがある。