漠然とキャリアは「アップするもの」と思っていないだろうか。その背景には、キャリアに対するモヤモヤとした不安がある。この状況を打開するためにはどうすればいいのだろうか。※本稿は、石倉秀明『CAREER FIT 仕事のモヤモヤが晴れる適職の思考法』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
「キャリアはアップするもの」という前提を疑う
「キャリアアップ」そのものがどういう状態を指しているのか、なんとなく分かるようでいて、実はあいまいではないでしょうか。
いったいどうなることがキャリアアップなのか、明確にしないまま、「キャリアはアップするもの」だと強迫観念的に信じてしまっているのかもしれません。
かつてであれば、4年制の大学を出て、社格の高い大企業に就職し、人よりも高い給料をもらって、その中で出世し、役職が上がっていくことをキャリアアップとシンプルに呼んだのかもしれません。ある種の画一的なライフコースを、多くの人が夢見た時代だったともいえるかもしれませんが、今日では果たしてそれが本当に幸せかどうかは分からないだろうと思います。