もしかしたら「数字=苦手」という認識で読み始めた方もいるかもしれません。でも安心してください。学生時代の算数や数学の成績は重要ではありません。いいえ、むしろまったく関係ありません。

 私は仕事柄、いわゆる理系出身のビジネスパーソンともたくさんお会いします。しかし、彼らがみんな数字を駆使して仕事をし、キラキラ輝いているかというと、そんなことは決してありません。そんなことよりも、これからお伝えする「数字を使う」ことの意義とメリットを正しく理解していることのほうが、はるかに重要です。

 入社1年目だとしても、それはもうビジネスパーソンの一員として周りから見られます。いますぐ学生時代の算数や数学からは卒業してください。スタートラインに立ったあなたを、私が全力でサポートします。

 一緒に数字の使い方を楽しく学んでいきましょう。

私たちは普段から
数字を「言葉」として使っている

 突然ですが質問です。深く考えず直感で答えてみてください。

Q1あなたの好きな数字を教えてください
Q2あなたの好きなこと(趣味など)を数字で表現してみてください

 妙な質問に「???」と感じたかもしれませんが、これは私が登壇するセミナーや研修の冒頭で行う数字を使った遊びです。どんなに数字が苦手だと思っている人でも不思議と「Q1」は笑顔で答えてくれます。「Q2」は少し難しかったでしょうか。ちなみに私の答えは、「麻婆豆腐がとても好きで、週に1回から2回は食べます。あまりに好き過ぎて麻婆豆腐部というコミュニティを立ち上げ、現在は部員が50名の大所帯です」といったところです。

 なぜこのような遊びだと、楽に数字を使えるのでしょうか。それは、数字を表現のツールとして使っているからです。もっとシンプルにいえば、「言葉」として使っているということです。ここで私が提案したいのは、仕事をするときには数字を「言葉」として使う発想を持つということです。

「入社1年目です」

「11時に上司と私の2名で御社にうかがいます」

「資料は20部コピーすればよろしいでしょうか」

 このような言葉を仕事で当たり前のように使っていませんか?数字を使うということは特別ではないし、少しも難しいことではないのです。