ビジネスパーソンが行う
「数字で考える」計算の正体とは?

 数字は言葉であるということを踏まえた上で、「計算」について考えてみましょう。たとえば利益を求めたいとき。一般的には次のような計算式になるでしょう。

利益=売上-費用…… (1)

 いうまでもなく「利益」「売上」「費用」はすべて数字(=言葉)です。

 あるいは、給料はどんな計算で求められるでしょうか。一般的には次のようになるでしょう。

給料=基本給+1時間あたりの残業単価×残業時間…… (2)

 これもまた、登場するものはすべて数字(=言葉)です。つまりビジネスで行う「計算」というものは、四則演算(+-×÷)を使って言葉を組み合わせる行為といえるのです。

(1)の例ならば、もし利益として1億円ほしいのなら「売上」と「費用」が具体的にどんな数字(=言葉)である必要があるかを自然に考えるでしょう。

(2)の例ならば、もし1カ月の給料として30万円ほしいのなら、1カ月の残業時間をだいたい20時間程度とするとどれくらいの基本給が必要か、といった思考回路になるかもしれません。

 ビジネスにおいては、学生時代の算数のように何の意味付けもされていない「5×4+4÷2=?」といった計算は絶対にしません。必ず先ほどのような言葉の組み合わせが存在するはずです。

 つまり、ビジネスで行う計算は、すべて次のようなプロセスで行われているのです。

あなたが「ほしい言葉(計算したい数字)」は何かを考える

それはどんな言葉の組み合わせかを考える

それらの言葉を具体的な数字で表す

それらを実際に組み合わせる(計算する)

あなたの「ほしい言葉(計算した数字)」が手に入る

 このイメージを持つことが「数字で考える」ということであり、ビジネスパーソンがする「計算」の正体です。