ビジネスマンたるもの、数字に強いに越したことはない。しかし、学生時代、数学の授業についていけず、数字に対してトラウマレベルで苦手意識を抱えてしまったという人も少なくないはず。そんな人が数字を味方につけるにはどうすればいいのか。また、数字を味方につけることでどんなメリットがあるのか。ビジネス数学の専門家、深沢真太郎氏に話を聞いた。(清談社 島野美穂)
勉強し直さなくてもOK!
ビジネスに数字を生かす方法
「数字に苦手意識を持つビジネスマンは多いです。冗談ではなく、数字を見るだけで吐き気がするという人も実際にいます」と深沢氏。
学生時代に数学が苦手だった人の大半は、社会人になってからも数字への苦手意識が消えることはない。しかし、ビジネスシーンでは、売り上げ、見積もり、ノルマと、ことあるごとに数字を使う場面に遭遇する。数字に強いほうが、成果につながりやすいのはいうまでもない。数字の苦手は克服すべき課題といえるのだ。
ただし、克服するといっても、数学を勉強し直せということではない。難しそうな『ビジネス数学』の本を読みあさる必要もない。「日常会話に数字を入れることを意識すればいいだけ」だと、深沢氏は言う。
「“ビジネス数学”の本質は、ビジネスマンの会話を変えることです。数字に強い頭脳を手に入れることが目的ではないのです。たとえば、ものすごく簡単な例でいうと、『部長、ちょっとお時間いいですか?』と、『部長、3分だけお時間いいですか?』を比べたとき、どちらに説得力を感じるかといったら、圧倒的に後者ですよね。会話に数字を入れるだけで、印象が変わるんです。このように、身近な会話に数字を入れることが、数字に慣れる第一歩なんです」
深沢氏はこれを、英会話ならぬ『数会話』と呼ぶ。数字に慣れれば、数字を使って喋ることが楽しくなっていく。その結果、数字が身近になり、ビジネスマンとしてのスキルをアップさせることにつながるのだという。