険しい道を進む人影写真はイメージです Photo:PIXTA

自分らしさや生き方などを求めて、現代人は人生に悩んでしまいがちだ。時には、誰かや何かに頼って痛い目をみてしまうこともあるだろう。そんな不安定な人生を自信を持って、よりよく生きる心持ちを女性実業家の高橋ゆき氏が語る。※本稿は、高橋ゆき(高の字は、正しくははしごだか)『ウェルビーイング・シンキング』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。四方八方に伝わるエネルギーを感じられるという著者の意図から、文中の「気」は正しくはきがまえに「米」の旧字体を使用しています

緊張とリラックスの間でわかる
自分のニュートラルポジション

 300人が集まる重要なイベントを取り仕切らなければならない――。こんな大役を任されたら、誰でも10日ぐらい前から、緊張で眠れない日々を送ることでしょう。当日は緊張感もMAX。心臓がドキドキして、酸素と血液が体中を巡ることを実感するかもしれません。

 そんなイベントも、閉会まで無事にたどり着いたら、いつもの自分に戻ります。満足感、達成感、安堵感に包まれた至福の時間を過ごせるはずです。

 人間には、緊張とリラックスの両方が必要です。緊張するのは、いつもの自分とは異なる環境で、なにかの壁を越えようとしているからです。勇気を持ってトライすれば、ワンランク成長できて、新たな気づきを得られます。

 ただ、緊張が何日も続くと、ある日、糸がプツンと切れてしまいます。人はずっと背伸びし続けることはできません。一息ついて、リラックスした心で、「自分の力を発揮できた」「こういう点が足りなかった」「次はこうしてみよう」と振り返ることが大切です。そうした時間があるからこそ、新たに挑戦する英気を養えます。

 緊張とリラックスを行き来するうちに、“本当の自分”というものが少しずつ見えてきます。「自分にとって何が大切なのか」「何を優先すべきなのか」「どう生きていきたいのか」という、自分のニュートラルポジションを確認できます。緊張とリラックス、その“はざま”で、あるがままの自分を見つめ、自分らしい時間を重ねていきましょう。

他人と比べて自分を見失うな
比べるべきは過去と今の自分

「あの人は恵まれた環境にいて羨ましい」「あの人にできることが私にはできなくて悔しい」――。そんなふうに、他の誰かと自分を比べることはありませんか?誰かと比べて、自分をさげすんだり、卑下したり、残念に思ったりするのはとても苦しいことです。それが妬みややっかみに変わると、とても醜い人間になってしまいます。

 人と比べることをやめれば、人生の多くの苦しみから解き放たれるはずです。サボっていることも、一所懸命やっていることも、真面目に考えていることも、怠けていることも、自分のことは自分が一番よく分かっています。誰かと比べる必要はありません。比べるから自分を見失います。自分に言い訳をしてしまいます。自分を小さく感じ、焦りはじめます。