分岐鎖アミノ酸が不足しがちな高齢者向けのサプリも販売されていますが、アスリート向けのプロテイン(たんぱく質のサプリ)でも問題はありません。
アスリートや、筋トレをして筋肉を増やしたいという人は、こうしたサプリを積極的にとっています。実はこのようなサプリは、筋肉量の減少が心配な高齢者がとってもよいのです。
その際、分岐鎖アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンが含まれているかを確認するようにしましょう。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促す骨の栄養素として知られていますが、筋肉の合成を促す作用もあります。
ビタミンDは魚介類やきのこ類、卵などに多く含まれているので、これらの食品を意識してとりましょう。
噛む力と飲み込む力の低下で
起きる誤嚥性肺炎
栄養状態を良好に保つためには、十分な食事量をとることが不可欠です。そのためには、しっかり噛む力と、むせずに飲み込む力が必要になります。
噛む力と飲み込む力は加齢とともに弱ってきます。そして、使わない(噛んだり飲み込んだりという動作をしない)ことによっても弱ってきます。そうなると、食事の量が減ってしまい、低栄養になるリスクが高まります。
さらに飲み込む力が低下すると、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
誤嚥性肺炎とは、口腔内の細菌を含む唾液や、食べたもの、飲んだものなどを誤嚥する(誤って気管や肺へ入ってしまう)ことが原因で起こる肺炎です。高齢者の肺炎は死亡リスクも高いので、その意味でも飲み込む力の低下を防ぐことが重要です。
嚥下関連筋が強化されれば、今まで以上にスムーズにものが飲み込むことができるようになるでしょう。
男性ホルモンの減少も
筋力低下の大きな原因
男性ホルモンであるテストステロンは、筋肉をつけるための最強ホルモンとして知られています。
男性の場合、その大部分は精巣で産生されて、一部は副腎で産生されます。しかしテストステロンの血中濃度は加齢にともなって低下していきます。これが高齢者における筋力低下の大きな原因となっています。