昨今、“もちもち”食感のパンやスイーツ、麺類などが大人気で売上を伸ばしています。老若男女を問わず多くの人が、“もちもち”と書いてあるのを見ると、ついつい買ってみたくなるようです。なぜなのでしょうか。朝日大学保健医療学部教授であり、オノマトペ研究家でもある藤野良孝さんは、もちろん商品の食感に魅力があることは間違いないが、商品名などに含まれている“もちもち”という「パワーワード」が、お客さんの心を一気につかんでいるからだ、といいます。藤野さんの著書『なぜか買いたくなる“もちもち”の秘密』(青春出版社)から、誰でも「発信力」が上がるパワーワードの秘訣を紹介します。
発信力をグングン上げる「パワーワード」
皆さんお気づきのことと思いますが、ここでいう「パワーワード」とは、“もちもち”を代表とした、さまざまなオノマトペ(擬音語・擬態語)を指しています。
実はオノマトペは、売り手が伝えたい商品の特長や魅力を、瞬時に、直感的かつ感覚的に買い手の脳に届け、購買意欲を刺激して商品を買わせてしまう強力なパワーを秘めています。普通の言葉を使って訴えかけるより、オノマトペを使ったほうが、ずっと短い言葉で、ずっとリアルに商品の良さが伝わるのです!
そこで私は、物を売るビジネスの場で使うオノマトペを「パワーワード」と呼び、企業の広告担当者をはじめ、お店の経営者、個人事業主、ネットビジネスなどで商品を売る立場の皆さんに、商品名や宣伝文句に“じゃんじゃん”使うことをおすすめしています。
これだけ世の中に商品やサービスがあふれている時代、売り手に絶対に必要なのは、「発信力」を上げ、商品の注目度を上げることです。その商品の存在に目を留めてもらい、特長や魅力に興味を持ってもらわない限り、お客さんがその商品を購入することは決してありません。