他人の評価に依存しない生き方

 人は他者から褒めてほしい生き物です。それが過ぎると、八方美人を目指し、承認欲求に溺れ、他者からの悪口にすぐ凹んでしまうメンタリティに陥ります。

 その背景には、いつも「他人から肯定されていないと不安」「他者に受け入れてもらわないと、自分の居場所がなくなる」といった漠然とした恐れが隠れています。

 もちろん、誰もがけなされるより褒められたほうが嬉しいですし、学校や職場でも、友人が大勢いたほうが、日常生活は営みやすいでしょう。

 でも、過度に「他者からの評価」を気にし過ぎてしまう人は、「自分で自分を受容できていない」からかもしれません。当の自分自身が、自分を全面的に肯定できていない。

 その自信のなさを、他者からの評価で埋めようとしてしまっているのです。

「自己受容」と「自己肯定感」の違い

「自己受容」は「自己肯定感」とは、似ているようで少し違います。

「自己肯定感」は、「~ができる私」という発想に向かいがちですが、「自己受容」は、「あるがままの私」を全面的に受け入れられている境地です。お金があろうとなかろうと、社会的に成功してようとそうでなかろうと、いまある自分の存在をまず認める。これが「自己受容」です。

「自己受容」ができている人は、自分が何者かを知っています。

 何を愛し、何を大切にしていきているか、どんな人生が自分の理想なのかを知っているのです。

 これ、意外なことに分かっている人って、そう多くはないんです。