25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2025』の出版を記念して、内容の一部を抜粋、再編集してお届けする。(本記事は2023年12月に執筆された『大学図鑑!2025』および2014年12月に執筆された『大学図鑑!2016』をもとにしています)
関東女子大グループの序列は10年間でどう変わった?
関東の私立大学はこの10年でいくつか大きな序列変化があったが、女子大グループでは大きな変化が見られない。加えて、そもそもだが女子大はkoko10年間、全体的に大学運営に苦しんでいた。
とはいえ、最近では下落傾向も落ちつき、逆に女子大ならではの利点を強調し、生き残る道を模索する動きが目立ち、実学教育で圧倒的な就職率を誇る大学もある。
かつては「女性は結婚や出産を機に専業主婦になるもの」とされていた時代、多くの女子大はお嬢様学校として「良妻賢母」の養成を目的としていた。それが今は、社会で活躍できる「人材」の育成へと変化してきている。女性が出産や子育てをしながらでも一生働くためのキャリア形成に必要な知識や技術の習得、近年ますます注目が高まるジェンダー教育に力を入れているところも多い。
こういった背景を踏まえて、10年前の『大学図鑑!』では載っていなかった女子大が、最新版では新たに2校掲載となった(10年前は2校ともマップのみの掲載)。
1つが昭和女子大だ。女子大の中でも近年人気を集めていて、就職も比較的良い。坂東総長がもつイメージの影響も大きいのだろう。「親から薦められて受験した」という学生もおり、保護者からの信頼も厚い。OGとの繋がりが密なこともあり、「将来まで見据えて安心できる穴場女子大」という声も。
学生に話を聞いていると、「この大学が第一志望じゃなかったんですけど……」と話し始めることがとても多い。だが、ほぼ全員が「ここに入学してよかった」と締めるのが面白い。「入学してからこの大学の魅力を知った」(国際学部国際学科)、「思っていた大学のイメージとは違ったけど、居心地が良い」(人間社会学部初等教育学科)、「特に不満点が思い浮かばない」(人間文化学部歴史文化学科)の声多数。