そして空っぽになってベッドに入って眠る。ちゃんと眠る。翌日の私は、新しい私だ。前日を引きずらずにすっきり目覚めるようにしている。

 忘れっぽい私の性格が功を奏しているのかもしれないのだけれど、これは案外いい方法だと思っている。

 それでもモヤモヤが残っていたら、私は自然の中に行く。山に行ったり、海に行ったり。心をニュートラルに戻すのだ。

 ほかにも私は、いろんな方法でリセットしている。たとえば温泉やサウナ、酵素温浴に行く。汗といっしょにストレスも流れていくみたいでとにかく気持ちいい。

 おいしいものを食べるのもいいよね。いつもはガマンしているもの、たとえばラーメンとか、ポテトチップスとか、甘いケーキだとか。しんどいときには、自分をちょっとだけ甘やかすことにしている。

 本を読むのもいい。私は現実から離れた物語を読むのが好きだ。おすすめしたいのは歴史小説。司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』で歴史小説にハマった私なので、長編の歴史ものは大好物。時間がとれるなら、宮本輝さんの『流転の海』をおすすめしたい。全9巻で、登場人物は1500人を超える。著者が40年近い年月をかけて描ききった大河小説だ。現実を離れて他者の人生に飛びこんでみると、自分のいまが客観的に見えてきて、「なんとかなるかも」と思えるから不思議だ。

 少し変わったところでは、写経もする。筆をとって般若心経を1枚の紙に書いていく。30分ほどで書き上げるのだけれど、とんでもなく集中できる。

 集中するといえば数独もある。実は私、数字が好きなんですよ。数独を解いていると、普段使っている脳の部分とは少し違う部分を動かしている感じがする。

 そんなふうに、モヤモヤをリセットできる自分なりの方法をいくつかストックしておくと、生きるのが少しラクになるように思う。