「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は、東洋医学の視点から、たるみ予防に役立つ自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)
顔がたるみやすい人の特徴
――矢上さんの書籍『すぐできる自力整体』に掲載の体験談には、痛みや不調の克服だけでなく、見た目も若々しくなったとの声が多かったです。
矢上真理恵(以下、矢上):そうですね。自力整体をおこなうと血流がよくなり熟睡できるので、肌のツヤ・ハリが戻るのかもしれません。
とくに、顔のたるみ・もたつきを気にされていた体験者さんは、関節や筋肉の縮みをとることで、フェイスラインがスッキリしました。
何らかの悩みを抱え教室を訪れる方の多くは、むくみやフェイスラインのもたつきが気になります。これは冷えや運動不足で、体の水はけが悪く、流れが停滞しているサインなんですね。これが痛みや不調の原因になります。
ほかに猫背・ストレートネック・背中の丸みなど。この姿勢の方は、体の前側(みぞおち、胸、ノド、アゴの下あたり)が硬く縮んでいます。前側が硬く縮んでいると、顔の筋肉が下側にひっぱられ、ほうれい線、マリオネットラインが出やすくなります。
ですから、「顔のたるみが気になる」という生徒さんには、「寝る前に20分ほど、自力整体で体の前側を中心にほぐしてみてください」とお伝えします。
週2、3回ほど続けていただくと、見た目は変わっていきます。
「マブタのたるみ」におすすめ3つの習慣
――年齢を重ねるごとに「マブタがたるんで目が小さくなった」と感じる方も多いです。自力整体で解決法はありますか?
矢上:手軽な3つの方法を紹介しましょう。
1.眼球がおさまる頭蓋骨の上側「上眼窩(じょうがんか)」にある攅竹(さんちく・眉頭の少し下の骨際)というツボを指圧するとよいでしょう。
2.下を向かずに目の球を上に向けることを習慣にすると、マブタのたるみを予防し、目の大きさをキープすることができます。
3.裸眼で過ごすと、目とともに顔や体全体の血流もよくなりスッキリします。これは、目はたくさんの「経絡」(エネルギーが流れる川のようなもの)の通り道だからです。
では最後に、マブタのたるみをスッキリさせる「上眼窩の指圧」のワークを詳しく紹介します。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗