成功要因(2)
不二家のDNA

 ふたつめの要因は運営する親会社の企業特性に関わるものです。

 サーティワンはもともとアメリカのカルフォルニア州に誕生したバスキン・ロビンスが発祥です。日本でサーティワンを運営するB-Rサーティワンアイスクリームは、そのバスキン・ロビンスと不二家の対等な合弁会社です。

 日本はバスキン・ロビンスにとって3番目に大きい市場ですが、経営としては不二家の意向を尊重する形で本国とは違う形での成長を容認してきました。それが結果的に現在の好循環につながっている様子です。

 日本のサーティワンは国内の自社工場で開発されています。バスキン・ロビンスには現在1300以上のレシピがあるのですが、日本で開発された新商品も本国で認証された後に、グローバルなレシピとして共有される仕組みです。

 若い読者の皆さんはピンと来ないかもしれませんが、1974年にサーティワンの日本の1号店が開業した当時、不二家は日本最大のケーキチェーンでした。昭和の当時、どこの町の商店街にも不二家のペコちゃんのお店があり、子どもにとってデザートといえば不二家だったものです。

 そして当時も今も、不二家の最大の優位性は商品開発にあります。この不二家のスイーツに関わる商品開発のDNAが、バスキン・ロビンスとの合弁でぴたりとあったのです。