「カラフルすぎる」アイスなのに
食べたいと思うのはなぜ?
サーティワンのロゴカラーはピンクと青が基調で、31種類のフレーバーはさまざまなフルーツをイメージしたカラフルな商品です。
普通に考えるとカラフルなお菓子は人工的なイメージを持ちやすいものですが、そこが不二家の商品開発力で、モチーフとなるフルーツのイメージを損なわない形でフレーバーが開発されています。
定番フレーバーに加えて、毎月、期間限定のフレーバーが投入されています。それらすべての商品で、「カラフルであるにもかかわらず、食べたい気持ちを生み出す」という非常に難しいポイントを両立させているのです。
起業のDNAという視点でもうひとつ指摘をさせていただくと、不二家がパートナーだったことで結果的に「高価なアイス」というマーケティングポジションが定着できたことは大きかったと思います。
サーティワンの基本的なメニューであるレギュラーシングル、つまり一つのフレーバーがコーンにのった商品の価格は420円、ダブルにすると760円というのが基本的な価格です。これをアイスクリームの価格だと考えると非常に高いと感じると思います。
ところがサーティワンの顧客から見ると、この価格をあまり気にする様子はありません。理由はサーティワンのアイスはスイーツだと考えている人が多く、価格もコンビニスイーツやカフェのデザートをイメージして比較するからです。
この現象も商品のカラフルな色が心理的に生み出している現象だと考えられます。見た目が普通のアイスではないことで、価格が高くてもこれはちょっと特別な商品なんだと消費者が納得してくれているのです。