「交差点での渋滞」なぜ起きる?悪気なく周囲をジャマするNG行為とはPhoto:PIXTA

世界的に見ても、日本は特に「渋滞」に悩まされている国の一つです。国土交通省などが渋滞解消に取り組んでいるにもかかわらず、道路の混雑はなぜ解消されないのでしょうか。その要因を、前後編に分けてお届けします。前編のテーマは「一般道」。交差点で人々が悪気なくやっているNG行為とは?(モータージャーナリスト 諸星陽一)

※本記事は前後編の前編です。高速道路で渋滞が起きる理由について解説した後編はこちらから

たとえ悪気がなくても
歩行者の「まだ間に合う!」が積み重なると…

 夏休みにクルマで出かけて、あまりにひどい渋滞に閉口した方も多かったのではないでしょうか? 実は、日本の渋滞は世界的に見ても深刻なレベルです。母国の交通量によっては、訪日外国人のドライバーがびっくりすることも多くあります。

 なぜ、こんなに長い渋滞が起きるのでしょうか。また、根本的な解決方法はないのでしょうか。今回は一般道で渋滞が起こる理由について、筆者なりの見解をお伝えします。

 筆者がここ10数年にわたって感じている課題に「交差点では右折よりも左折の方が混む」というものがあります。

 意外かもしれませんが、その主な原因はドライバー側ではなく歩行者側にあると筆者は考えます。

 右折の場合、先頭車両は交差点の中心付近で待機できますが、左折の場合は横断歩道の直前で一時停止し、歩行者が通り過ぎるのを待たねばなりません。この際に「歩行者がいつまでも渡っている」ケースがあると感じます。歩行者用信号が点滅を始めてから渡り始め、赤に切り替わっても(反対側の信号が青になっても)渡り続けている人も見られます。