予測1
タワマンが廃虚化する危険性は少ない
最初にタワマンオーナーや、タワマンの購入を検討している方に安心していただきたいのですが、神戸市長が懸念しているような形でのタワマンの廃虚化リスクはおそらく低いと考えられます。
ここは番組でも激論になった箇所ではあるのですが、久元市長がリスクの根拠として挙げたのは多くの分譲型タワマンで修繕積立金が販売時に低く抑えられていることです。
タワマンは通常のマンションよりも設備にお金がかかる関係で、その快適な生活を維持するためにはそれだけ多くの修繕積立金が必要になります。
ところが積立金の金額を上げるためにはマンションの総会での決議が必要になる。将来的にはオーナーが高齢化してお金が足りない状況になる懸念もあります。ここがうまくいかないことで、修繕ができないタワマンが出てくるのではないかという予測です。
この点については私自身も経済評論家としても詳しいのと同時に、タワマンのオーナーとしても知識があるので解説させていただきます。結論としては、むしろ状況は逆です。
タワマンが建設され始めた当初は、市長が懸念するようなタワマンが実際にありました。ただその後、デベロッパーにもオーナー側でも理解が進んだため、現実には多くのタワマンの理事会で修繕積立金の値上げが議論され、適正に値上げが実行されているというのが最新の事情です。
これは通常のマンションと違うタワマンの特徴が背景にあります。ひとことで言うと保有しても資産価値が通常のマンションほど下がらない、場合によってはむしろ上がっていくというトレンドが明確になってきたのです。