震災時の断水・停電は織り込み済み
1週間分の備蓄は常識
タワマンの多くが利便性のいい都市の中心部に集中しています。これは高齢化した富裕層にとって生活の利便が高いのです。なにしろバリアフリーで最新の設備が完備されていますし、立地的にも買い物に困らない。仮に元のオーナーがいなくなってもすぐに別の買い手が現れます。
そのようなタワマンのオーナーにとって最も重要なことは資産価値を落とさないことです。
富裕層からみれば積立金をケチってタワマンの資産価値が下がるのは愚かな投資行為です。実際のタワマンのオーナーはそのことをよく理解しているので、通常のマンションの理事会以上に、この手の議論は賛成多数になりやすいのです。
タワマンの場合、震災のリスクがいつも議論されますが、実はそのリスクもオーナーや住民には織り込み済みの場合が多いです。そもそも建設の最初から免振構造で設計されているので、タワーが倒壊するリスクはほとんどなく、実際の大地震のときはゆっくり長く揺れながら震災のエネルギーを打ち消していきます。
とはいえ震災時のタワマンでは、断水と停電は覚悟する必要があります。ただしそもそもタワマンに住む場合はそれを見越して1週間は籠城できるように水や非常食を準備するというのが常識になっています。
予備電源の自家発電施設もありますので、これまで経験したような大地震であればエレベーターが動かないのは最大で3日程度でしょう。タワマンのオーナーからみると震災リスクについては世間の方が過剰に懸念しているように思えます。