中心部にタワマンが1棟建つと
1000戸分の住民が一気に流入することも

 まずは問題の背景を解説したいと思います。神戸市は高度成長期には大阪のベッドタウンとして発展したのですが、近年では人口減少が顕著になり、近い将来には今よりもさらに2割人口が減るという予測があります。

 神戸市郊外のニュータウンは高齢化が進み、一部の住民が引っ越していくことで街のスポンジ化が起きています。人が減ることで商業施設が減り、医療機関も減り、バスの本数が減り、結果としてさらなる人口減少が起きるという悪いサイクルが発生しているのです。

 このような人口流出先のひとつが、利便のいい市の中心部のタワマンです。神戸市全体では人口が減少する中で、一部のエリアに偏った形で人口増が起きます。

 タワマンがひとつできると、場合によっては1000戸もの新たな住民が一気にそのエリアに流入します。短期的には学校の教室が足りなくなるといった問題が起きますし、長期的には大地震の際の避難所の不足といった問題にも直面するということです。

 それで神戸市としては市の中心エリアでこれ以上のタワマンの新規建設は規制することに決めたというのが今回の経緯です。

 この問題、これから全国に同じように広がる可能性はあるのでしょうか?そしてタワマンは本当に廃虚化するのでしょうか?3つの切り口からタワマンの未来を予測してみたいと思います。