2050年には
3人に1人が「母親ではない」

 世界から眺めてみると、わが国はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で最も「子どもを持たない人の割合が多く、かつ短期間でその割合が増えた」特徴的な国であることが見て取れる。

 24年に49歳を迎える女性の「生涯無子率」は、日本が28.3%で加盟国中トップだというデータもある(図2)。この調査では、1975年生まれと、20年前の1955年生まれ、さらに20年前の1935年生まれとの比較もされているが、20年前、40年前よりも子を持たない人の数は2倍以上増えていることが分かる。

図2 日本は子どもを持たない人の割合が世界でトップ

2024年に49歳を迎える女性の生涯無子率を比較したデータ。OECD加盟国の中で生涯無子率が最も高かったのは日本で、28.3%。次いで割合が高かったのがスペイン(23.9%)、イタリア(22.5%)だった。
出所:Society at a Glance2024 OECD SOCIAL INDICATORS

 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」では「2000年生まれの女性が50歳になった時の無子割合は31.6%に達する」と言及されている。推計とはいえ、25年先には、3人に1人が「母親ではない」時代が来る可能性が濃厚だ。