たとえば国内産の作物を輸出しようと考えたものの、国際価格より高くて売れないなら、先に挙げたように輸出補助金を出して農家が国際価格で売れるようにするといった方法がとられたりしました。

 そんなことをしていたら自由貿易にならないじゃないかと言うことで、自由貿易を推進する国際貿易機関で長年議論と調整が行われています。口では自由貿易を推進すると言いながら、どうやってごまかすか?国際的な反発を招かない形で国内農業を保護するのか?そんなことを考える各国が利害をぶつけ合う場がGATTなどの国際貿易機関なのです。

 個人的にはTPP(環太平洋パートナーシップ)などの現代の自由貿易協定を見ていると、これはかつてのブロック経済の焼き直しではないかと考えたりもしますが、それはともかく、そんな歴史を見ていると思うのです。確かに自由貿易は世界の誰もがより良い暮らしを行うためには必要だし、正しいのでしょう。しかしそれを農業に適用するのは適切なのでしょうか?