「どこにでもいる菌だから、そうだとも、そうでないとも言い切れないと思うんですけど、問題はそこじゃなくて、お義母さんの足のことに誰も気づかなかったことが問題だと思うんですよ」と私は若干偉そうに言った。普段しっかりと介護に参加していると、こういうときに発言がしやすい。

「いや、わしは母さんの足がおかしいから、絆創膏を貼ったんや!」と義父は言い、私に堂々と湿潤療法用のテープを見せた。一番アカンやつや、それ。水虫にモイストヒーリングって、いやがらせかよ。

「お義父さん、これは貼ってはいけないですよ。絆創膏も包帯もダメ。とにかく、病院に行かないとダメです」と私は言ったが、なんだかため息が出そうだった。何もかも裏目に出ているのだ。

「週明けにならないと病院には行けないので、私、今から薬を買ってきます」と言い残して車で出たが、テーブルの上にデイサービスのマネージャーが書いてくれたメモが置いてあった。夫の実家に最も近い皮膚科の病院名と電話番号、そして受診時間など、詳細を書いてくれていた。なんと丁寧な方なのだろう。感謝しつつ、私はドラッグストアに行き、薬用石鹸と薬を買ってきた。