夫が義母を無事に手当て
ほっとしたのも束の間…

 さて、ここからが問題だ。誰が義母の足にぐるぐるに巻かれた包帯と、モイストヒーリング用テープを外し、足を洗い、薬を塗るのか。あたし?まさか!無理無理。

書影『義父母の介護』(新潮社)『義父母の介護』(新潮社)
村井理子 著

 この大問題に立ち向かったのは、夫だった。さすが実の息子である。偉い。立派。やらねばならぬときは、やらねばならないのだ。私は夫を少し見直した。義母を風呂場に連れて行き、ちゃんと足を洗って、拭いて、薬を吹き付けたのである(もちろんこれは応急処置で、後日皮膚科も受診した)。

 義母は「おかしいねえ、なんでこんなことになるんだろうねえ」と不思議そうだった。不思議そうにしながら、また包帯を巻こうとする。それは巻いてはいけないと私と夫で説得している横から、義父がまた湿潤療法用のテープを持ってきて「これはいらんのか」と言って夫をとことん激怒させる。コントか。もうやめてくれ。

 やはり、わが家の高齢者介護はまた一歩険しい道を進んだような気がしてならない。水虫なんてかわいいものだ。これから先、一体なにが起きるのか、かなり不安だ。