認知症の義母と90歳の義父のケアに日々奔走する村井理子氏。そんな中、キレイ好きだった義母が白癬(はくせん)菌に感染し、家族は大騒ぎに。夫と義父も交えたリアルな介護の現場を見ていこう。本稿は、村井理子『義父母の介護』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
あれだけ清潔好きな義母が…
想像できない状況に呆然
今回は、認知症の高齢者介護の現実のようなものに、一歩踏み込んだ内容を書くつもりなので少し気が重いが、先日起きたことを正直にお伝えしようと思う。私はこの数日、このプチ事件が原因で、少しだけだが凹んでいる。
先日、義母がお世話になっているデイサービスのマネージャーの女性から電話があり、義母の入浴の際に判明したのだが、義母が白癬菌に感染しているようだとの報告だった。それも酷い状態だという。
「先週の時点では気づくことが出来なかったのですが、今日は包帯を巻いておられて、それに看護師が気づきました。包帯を外してみると、足の指に絆創膏が何重にも貼ってあって、それを剥がしてみて、感染に気づきました」とのことだった。
「包帯などを巻いてしまっていたため、かなり酷い状態です。お忙しいとは思いますが、是非皮膚科にお連れして下さい」と、申し訳なさそうにマネージャーは言うのだった。