村井理子 著
それでも、大晦日には実家まで行き、2人に会った。会ったのだが、3年前に転倒して骨折し、それ以来まっすぐ伸びなくなってしまった右手の小指をアピールし続ける義父に、「もう無理」と思ってしまった。
なんでもかんでもアピールだ。ごめんやけど、アピールが過ぎる。小指をアピールされても、なんと言っていいのかわからない。というか、やめてくれ。繰り返すが、指が伸びなくなって3年で、その間、伸びない小指をアピールされ続けている私の心配をして欲しい。「かまってちゃん」もいい加減にしてと言いたい。「かまってちゃん」が許されるのは動物だけだということを忘れないで下さい。
私が厳し過ぎるのか、それとも義父が大人げないのか。たぶん、両方だとは思うし、私が意地悪なだけなんだろうけれど、それでもやっぱり、私は義父の甘え体質から逃げたくて仕方がない。