レベルの高いご学友は
学習院で得られるのか

 学習院が最後に男子皇族を受け入れたのは、秋篠宮皇嗣殿下の時、つまり40年ほど前のことであって、当時のノウハウなどは残っていないだろう。将来の天皇の安全を確保すべき警備は、今上陛下の時が最後だ。愛子さまの場合は立場も違うし、登校されても不特定多数の学生と交流された機会は一度もなかったので参考にできない。

 一方、お茶の水女子大附属や筑波大学附属を所管する大塚署は、悠仁さまが幼稚園の時から一貫して警護を担当しており、警備の面でも学習院に優位性はない。

「学習院なら適切なご学友が得られる」との声もあるが、現在の学習院に旧華族社会の優秀な子弟がいるともいえない。また、以前は、大学は学習院以外に進むにしても、いったんは学習院に入る人が多かった。近衛文麿や細川護熙もそうだし、華族でなくても吉田茂、鳩山由紀夫・邦夫兄弟や官僚でも多かった。

 上皇陛下のご学友というと作家の藤島泰輔、元農林水産相の島村宣伸、ジャーナリストの橋本明などの名が出てくるが、今上陛下の同期生でもすでにそうした著名人はいないし、まして、悠仁さま世代の学習院で質の良いご学友を得られるかは疑問だ。

 一方、筑波大学附属では、知的レベルの高い友人を得られているはずだ。伝統的に堅実で知的な校風であり、美智子上皇后の御父君や弟もOBだ。悠仁さまの成年にあたってお茶の水大学の幹部が回顧を語り、たいへん良い教育を受けられてきたことが分かると話題になった。

 また、大学の教員を見ても、上皇陛下が学ばれたころの学習院は院長に哲学者の安倍能成、他にも社会学者の清水幾太郎など錚々たる陣容だったが、現在の学習院がとくに未来の天皇の学びに向いた体制とは思えない。