法的に特別な地位はない学習院大学
卒業された天皇はいまの陛下だけ
学習院はもともと華族の学校であって皇族の学校でないし、学習院大学を卒業された天皇は、いまの陛下だけだ。法的にも特別な地位はなく、学習院だけが皇族に対し特別配慮が許されていると考える理由はない。学習院の一部の卒業生などが自分たちの学校が特別だとデマを流し、悠仁さまの自由な選択を邪魔するような言動をしている。これは強く非難されるべきだろう。
皇族方の教育の歴史は、新著『系図でたどる日本の皇族』(宝島社)で詳しく紹介したが、歴代天皇では、大正天皇は満8歳から通い始め、中等科1年修了で退学された。昭和天皇も初等科のみで、東宮御学問所で勉学を続けられた。秩父宮殿下は18歳で陸軍士官学校、高松宮殿下は15歳で海軍兵学校予科に転じられた。
上皇陛下は、学習院初等科の時、学友と共に沼津や日光に疎開され、戦後は西洋的な思想と習慣を学ぶべきという昭和天皇の意向でバイニング夫人を家庭教師にされた。
マッカーサー元帥の質問に「東京大学か学習院大学に進学したい」と答えられており、学習院が既定路線ではなかった。1回生の終わりから、エリザベス女王戴冠式出席などのため、半年にわたる旅行に出発されたので進級できず、学友と離れたくないとの希望で聴講生としてそのまま過ごされた。
今上陛下は、新設された学習院幼稚園に入園され、大学卒業までとどまられた。大学院2年目の途中からオックスフォード大学に留学され、帰国後、28歳で博士課程前期を修了され、その後も、学習院の活動に積極的に参加されている。
秋篠宮皇嗣殿下も幼稚園から大学まで学習院だが、大学進学時には他大学に進みたいと希望されていたようだ。卒業後は、総合研究大学院大学教授の指導で研究され、論文博士号を授与されている。英国にも留学された。