現実に芽生えそうな
「意外な女性同士」の友情

 こんなのあるわけないじゃん、という友情が、現実世界で本当に芽生えるとしたら、「意地悪な娘が〈BFF(ベスト・フレンド・フォーエバー)――生涯の大親友〉に」なんていうパターンより、ずっと繊細な関係であるはずだ。

 それに、新聞などで広く出回っている、なかよしの子豚とライオンの愛らしい写真みたいなものとも違う。ああいう写真は、とってもかわいらしいと思うけど。インスタグラムで最近見かけた、女性と羽根のないマルハナバチ(BFF?)が一緒に映っている写真に、私は思わずうるっときてしまったのだけれど、ちょうど生理だったせいだとしか考えられない。

 現実に芽生えそうな「あるわけない意外な女性同士の友情」とは、年齢差の大きな組み合わせ、政治的に真逆の者同士、社会的なポジションを超えた絆なんじゃないかと、私は考えている。

 こうした関係では、「あるわけない」という言葉が否定的な意味を持たない。むしろ、体験談を語ってくれた全員にとって、肯定感や生きるエネルギー、幸福をもたらす源になっている。こうした友情を築いている女性たちからよく聞いたのが、その相手との関係が生活のなかで特異なものであるということ。思いがけずなかよくなった相手は、知り合いやそれまで交流してきた誰とも違っている、というケースが多かった。