「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から、コリや痛みを和らげる自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)
肩コリなら「肩」をもみたくなるけれど……
自力整体が「すぐできる」理由は、とくに詰まりやすい経絡(「気」が流れる川のようなもの)の通り道を刺激したり、筋肉や関節が硬くなりやすい場所をピンポイントでほぐして、痛みやコリを和らげるからです。症状が出た場所をやみくもにもんだりするよりも効果的です。
たとえば、肩コリなら手首を刺激したりします。これは手首に経絡やツボ(「気」を流すスイッチのような存在)が集中しているからです。
自力整体でおこなう場合、次ページの図「手首の刺激」のワークのように、手の甲を床におき、軽く体重を乗せながら体をゆすり手首を刺激するだけです。
この手首の動きで肩こりを和らげることができます。
知ってると超便利!「気がせき止められる10の関門」
経絡の通り道は約12本。東洋医学では、コリや痛みの症状が出たら、関係する場所をほぐしていきます。しかしプロの経絡治療家ではない限り、慣れるまでは経絡を正確に見つけてほぐすのは至難の業だと思います。
そこで、知っていると役に立つのが、「気がせき止められる10の関門」と呼ばれる詰まりやすい場所(次ページ図参照)。ここは経絡の通り道であり、血流やリンパの流れが詰まりやすい場所。ここを意識しながら自力整体をおこなうと、より痛みやコリは和らぎます。
では次ページで、「手首の刺激」のワークを紹介しましょう。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗