実際、斎藤知事も9月13日の会見で続投を表明した際、自身の改革の成果として「外郭団体役員に再就職した退職職員の年齢規制」を挙げている。

 ただ、これもちょっとビミョーなのは、この年齢規制というのはもともと兵庫県の内規で定められているもので、慣例的に延長をされていたものだ。斎藤知事はあくまで「ルールをちゃんと守ってください」という制度の適正化を進めただけに過ぎないのだ。

 もちろん、それも立派な改革ではあるのだが、厳しいことを言わせていただくと、「天下り利権側が全力で潰さなくてはいけないほど思い切った改革はしていない」のである。

斎藤知事が“潰された”本当の原因

 さて、このような「ヒーロー説」について否定的な話ばかりが続くと、「斎藤知事がんばれ!」と応援をされている方たちはさぞ不愉快なことだろう。ただ、実は筆者も皆さんと同じく「斎藤知事は潰されたのではないか」と考えている。

 ただ、その「動機」は「港湾利権」やら「天下り利権」というドラマチックな類のものではない。「兵庫県庁建て替え問題」である。