「手抜きのできないマジメな人」がムダに仕事を増やしてしまう根本理由仕事ができる人ほど四六時中「手を抜くこと」を考えている。ただ、それは単純に「サボろう」「いい加減にやろう」という考えとは違う(写真はイメージです) Photo:PIXTA

毎日、なぜかバタバタしていて、あっという間に1日が終わってしまう。「仕事をした」という充実感はあるもののタスクリストが半分も終わっていない。そればかりか残タスクがどんどん積み上がっていく……。こんな時、ただやみくもに頑張るのではなく、“マジメに手抜きをする”ことが重要だと中小企業診断士である森琢也氏は言います。そこで今回は同氏の新刊『トヨタで学んだハイブリッド仕事術』(青春出版社刊)から、トヨタ流「マジメ×手抜き=超効率化」の仕事術について、抜粋して紹介します。

「マジメ×手抜き」で
ムダな仕事を減らすのがトヨタ流

 日々押し寄せてくる膨大な仕事。やみくもに頑張るだけではとても終わりそうもない、そんなときは、堂々と「手を抜くこと」から考えてみましょう。とはいえ、どんな作業も丁寧にこなしてきた人にとっては、「手を抜く」という発想そのものに最初は嫌悪感や拒否感が生じるかもしれません。

 私は現在、多くの企業で研修やコンサルティングを提供していますが、どこの職場でも「マジメな人ほど手抜きが苦手」で、結果的に仕事に忙殺されてしまう傾向にあるようです。

 一方で、私が新卒から約10年働いたトヨタグループでは、仕事ができる人ほど四六時中「手を抜くこと」を考えていました。ただ、それは単純に「サボろう」「いい加減にやろう」という考えとは違います。大前提として、手を抜くことで生じるリスクを最小限にしつつ、いかに手間や手数といった手を抜くか、という発想です。リスクや影響もマジメに考慮しながら手間や手数を削る「マジメ×手抜き」のハイブリッド思考が、私が学んだトヨタ流です。

「マジメ×手抜き」は、2ステップで進めます。具体的に見ていきましょう。