私は、こうした手抜きに伴うリスクを最低でも2つ以上挙げて(これがマジメに考えること)、事前にその対策を施すように教えられてきました。ここで示したお礼メールの流用では、いったん立ち止まって、下図のような対策を「マジメに」考えて「手抜き」のリスクを排除します。
トヨタには、「人間はミスをするもの」という前提で対策を講じる、という考え方があります。理想とするのは、間違えたくても間違えられない仕組みづくりです。
「なんか面倒だな」と思ったら、はじめに「手抜きありき」の視点で手を抜くことを考えましょう。そのうえで、手抜きしたときに生じるリスクを2つ以上挙げて、その対策を打ち、実行に移しましょう。
トヨタ流の方程式は「マジメ×手抜き=超効率化」です。
見えないムダをあぶり出す
「作業の3分解」
次に仕事の中に潜んでいるムダについて。ムダに気づかないと、現状を変えていくためのカイゼンの第一歩を踏み出すことができません。では、ムダを見つけ出すには具体的にどうしたらいいのでしょうか?
まずは、作業を3分解(正味作業/付随作業/ムダ作業)し、それぞれの作業別にムダを見つけていきます。具体的に説明します。
●STEP1 作業の3分解(正味作業/付随作業/ムダ作業)
【作業の3分解】営業職の例
・正味作業:価値を生み出す業務→契約につながる商談など
・付随作業:正味作業に関連した業務→商談に使う資料の作成や現地までの移動など
・ムダ作業:正味作業、付随作業以外の業務→修正・やり直しなど、価値を生み出さない作業
まずは、「正味作業」「付随作業」「ムダ作業」の視点で、ご自身の業務を振り分けてみましょう。